『小説家は懺悔する』の中での表現ミスについて

 拙作『小説家は懺悔する』の中に、「養護施設」という単語がでてきます。
 作中でのこの単語の使用方法に誤りがありました。
「養護施設=(公的な)児童養護施設」と取られる書き方をしてしまいましたが、正しくは「私営もしくは民間ボランティアによる子供預かり所」といったものになります。ここで訂正してお詫び申し上げます。

 2004年に発行されたこの本は重版をかけていただいたのですが、二版目の発行後、親切な方がメールでお知らせくださるまで、私はこの間違いに気付いていませんでした。
 具体的には登場人物が「親の都合で養護施設に入っていたが、中学卒業までしかそこにいられず、高校のときは親にアパートを借りてもらってアルバイトをしながら暮らしていた」と回顧する場面が間違い箇所です。
 実際の児童養護施設では
・入所措置決定は児童相談所がするもので、親の都合で入・退所は決められない。
・18歳、高校卒業までいられる。修学費用も負担してもらえる。

とのことです。

 表現を間違ったのは私の思い込みと下調べ不足によるものです。
 この用語の誤用により、ご不快に思われ方がいらっしゃったら本当に申し訳ありません。また、間違った情報を受け取ってしまった皆様にお詫び申し上げます。


 以前、続編が出た際に日記で上記のようなことを書いたのですが、日記では目につかなくなるため、CDドラマ化を機にもう一度改めて報告させていただくことにしました(CD版ではボランティアの「ホーム」という呼称で統一されています)。
 今後は誤解のない書き方をするよう(現実っぽいフィクションはフィクションとはっきりとわかるようフォローするなど)努力していきます。
 メールをくださった方、また、何かひっかかりを感じた読者様、お手数やご迷惑をおかけしてすみませんでした。
 ご指摘くださった方には感謝しております。末筆ながらお礼申し上げます。

 以上、本当に申し訳のないお知らせでした。


2006年5月 菱沢九月拝